「がん」の診断には2つの状況がある。
ひとつは臨床診断(特に病理検査)ともうひとつは集団検診(がん検診; 術後検診を含む)である。
がんを根治する上で重要な点は「早期発見」と「全摘出手術の可能性検証」が挙げられる。
言い換えると、集団検診と臨床診断とが効果的に機能して初めて、がん治療が成功に導かれる。
また全摘出手術が困難な状況において、がんの種類によって異なる有効な治療法を選択する目的でも、臨床診断は重要である。
一方、全摘出手術が成功した場合においても、再発がん、二次性がんの発生の懸念があるため、その局面においても術後定期検診は重要である。
●細胞診断・生検組織診断
「がん」の組織は顕微鏡下での観察、すなわち検鏡によって、形態から鑑別される。
判定像では多くの分裂中の細胞が観察され、細胞核のサイズや形状はばらばらであり、(分化した)細胞の特徴が消失している。
これらは細胞診でも生検組織診でも確認できる特徴である。
組織診では更に、正常な組織構造が失われていることや、周囲の組織(が一緒に採取されていれば、そこ)と腫瘍との境界が不明瞭であることが観察される。
生検組織診は、過形成、異形成、上皮内癌などと浸潤癌との鑑別に有用である。
●進行度
「がん」の進行度を表すものとして「TNM分類」や「ステージ分類」がある。
TNM分類
ステージ分類
TNM分類を元に、がんの進行度と広がりの程度を合わせて表すことができるようにと新たに作成された。
臨床に沿った分類であることから、邦訳では「臨床進行期分類」という。
ステージ0(上皮内癌)〜ステージIVの五段階で分類される。
TMN分類と同様に臓器別に細かく分類されているため、上記の分類から更に詳細に分類される場合がある。