●支持療法
●消化器症状の支持療法
口内炎化学療法による粘膜障害や感染によって難治化しやすい。
化学療法を行う場合は口腔内ケアを行い、また極端に熱いものの摂取を控える。
嘔吐延髄に存在する嘔吐中枢(VC)は嘔吐に関連した反応を制御する反射中枢である。
延髄にあるCTZにドパミン、セロトニン、アセチルコリン、サブスタンスPのレセプターがあり、この部位も化学療法の嘔吐に関与するとされている。
化学療法による嘔吐は3つの機序が提唱されており、基本的には発症時期で分類する。
acute emesisは抗がん剤投与開始から1時間〜24時間以内に起こる嘔吐である。
CDDPによるものが有名である。CMZの5-HT3受容体や消化管壁の5-HT3受容体の刺激によって起こると考えられている。
5-HT3受容体拮抗薬(ドラセトロン (dolasetron)、グラニセトロン (Granisetron)、オンダンセトロン (Ondansetron))が使用される。
デキサメタゾンを併用することもある。
late emesisは抗がん剤投与から24〜48時間ごろより始まり5日ほど持続することもある嘔吐である。
機序は不明であるがセロトニンの関与は薄く5-HT3受容体拮抗薬は効果が薄い。通常はメトクロプラミド(Metoclopramide) やデキサメタゾンを用いて対処することが多い。
anticipatory emesis(予測性嘔吐)は前回の化学療法の悪心コントロールが不良であった場合に起こりやすい、化学療法投与前に出現する嘔吐である。
精神的要因が大きく、大脳皮質がVCを刺激するためと考えられている。
ロラゼパムやアルプラゾラムと投与にて軽快する。
ある調査研究、あるいは患者団体の要望によると、マリファナ療法から派生したカンナビノイドを使用すると、化学療法の吐き気や嘔吐が減弱し、患者は食事をとることができるようになるとされている。
下痢下痢の機序は2つ考えられている。
化学療法当日に出現する早発性下痢は抗がん剤によって、自律神経が刺激され蠕動が亢進する結果おこるコリン作動性の下痢である。
化学療法後数日〜2週間程度で起こる遅発性下痢の場合は消化管粘膜障害によるものである。
この場合は好中球減少の時期と重なるため感染症に注意が必要である。
下痢に関してはロペラミドを用いることが多い。
ラベル:副作用対策