世界のどの民族でも多い急性骨髄性白血病では世界平均の罹患率は10万人あたり年間2.5-3人といわれ日本よりやや低くなっている。
若い患者もいる白血病といえども高齢者ほど罹患率は高いので高齢人口割合が高くなると白血病の罹患率も高くなる。
また慢性リンパ性白血病は欧米では急性骨髄性白血病と並んで多い白血病だがアジアでは少なく、成人T細胞白血病はカリブ海諸国、アフリカ中部大西洋沿岸諸国、及び日本で見られるなど地域・民族によって白血病発症の特性は違い、白血病全体ではアジア人よりも欧米人の方が罹患率は高い傾向があるなど、白血病の罹患率は民族や年齢、性別によってその内容は異なる。
●日本の白血病発症率
1997年の日本の統計では全白血病の発症率は年間に男性で10万人あたり7人、女性で10万人あたり4.8人、合計で年間に人口10万人あたり約6人程度と見られている。
そのうち急性白血病が10万人あたり4人程度、急性白血病では大人で80%子供で20%が急性骨髄性白血病 (AML)、大人で20%子供で80%が急性リンパ性白血病 (ALL) で全体としては2/3が急性骨髄性白血病、1/3が急性リンパ性白血病といわれている。
つまり ALL では小児が多く、AMLでは大多数が成人で発症年齢中央値が60歳である。
慢性骨髄性白血病の発症率は10万人あたり1-1.5人程度、慢性リンパ性白血病は白血病全体の1-3%程度で少ないと見られている。
しかし日本では少ない慢性リンパ性白血病は欧米では全白血病の20-30%を占めている。
また、小児全体では白血病の発症率は年間10万人あたり3人程度とされるが、小児では慢性白血病は少なく5%程度で、小児の急性白血病の80%はリンパ性であり、男児にやや多い。
高齢者人口が1997年より増えた2005年の日本の統計では高齢化によって白血病も増えており、2005年国立がん研究センターの統計では日本では年間9000人が白血病に罹患し、人口10万人あたり7.1人の罹患率となっている。
そのうち男性が約5300人女性が約3700人で男性の10万人あたり罹患率は8.3人、女性では5.9人となっている。
2005年の日本では67万6千人が新たにがんに侵され、人口10万人あたりでは年間529人のがん罹患率なので白血病は全がんの1.3%を占めている。
地域別では九州・沖縄で白血病が多いがこれは地域特性のある成人T細胞白血病(後述)の発症率の差によるものである。