化学療法剤の用量については難しさがある。
少なすぎれば腫瘍に効果が無く、多すぎれば患者が耐えられない毒性(副作用や好中球減少症 neutropenia)が発現する。
そのために多くの病院では用量や毒性の補正のガイダンスとなる詳細な「投薬計画 (dosing schemes)」を作成する。
多くの場合には、患者の体表面積値 (body surface area, BSA) で用量を補正する。
体表面積値は身長と体重から計算で求めた、体容積の概算値である。
普通BSA値は、実際に計測するよりも、計算するか数表 (nomogram) を使って計算する。
●化学療法 (悪性腫瘍)の投与
多くの化学療法は静脈内投与により行われる。
患者によったり、がんの種類・段階および化学療法の種類と用量によって、静脈内投与化学療法は入院になるか通院になるかが決まる。
プレドニゾンやメルファランなど少数の薬剤は経口投与である。
また、中心静脈により投与がされることもあり、その場合、末梢静脈の炎症を予防しつつ確実に循環器系に薬剤を投与できる。
●化学療法 (悪性腫瘍)の副作用
有害事象共通用語基準 v4.0に詳細に記載されている。
治療は患者の身体的な拒絶を受ける。
現在の化学療法技術では副作用の範囲は主に身体の細胞分裂が亢進した細胞にたいして生じる。
(薬剤特有の)重大な副作用を次に示す。
頭髪を失う
吐き気ならびに嘔吐
下痢または便秘貧血(致死的な重篤度の)
感染や敗血症を引き起こすほどの免疫系の抑制出血
二次がん
化学療法は心臓血管系疾患のリスクをも増大させ、時として二次がんの原因となる。
このため「抗がん剤は発がん剤」などと批判する人もいる。
しかし、二次がんにならない確率の方がずっと高い上に、不幸にして二次がんになるとしても通常は何年も先のことである。
既にがんになってしまった人が、二次がんを過剰に心配し、今のがんに効くかもしれない化学療法を否定してしまうというのは合理的とは言いがたいであろう。
心毒性
肝毒性
腎毒性