2014年07月28日

FDAがCLLなど3つの血液癌の治療薬としてidelalisibを承認

■■■【抗がん剤のニュース:がん治療の最新のニュース】■■■

◆がん性胸膜炎?痛みで寝れない!
https://www.askdoctors.jp/topics/2086530

◆FDAがCLLなど3つの血液癌の治療薬としてidelalisibを承認
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201407/537679.html

◆リツキシマブが難治性ネフローゼの再発を抑制
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201407/537488.html?ref=RL2

◆経口選択的BCL-2阻害剤ABT-119が単剤で再発・難治性の非ホジキンリンパ腫に有効な可能性
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/gakkai/sp/eha2014/201406/537057.html?ref=RL2

◆高リスク慢性リンパ性白血病にもBcl-2阻害剤ABT-199は75%以上の奏効率
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/gakkai/sp/eha2014/201406/537073.html?ref=RL2

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白血病とは?

●白血病とは?

白血病(はっけつびょう、Leukemia)は、「血液のがん」ともいわれ、遺伝子変異を起こした造血細胞(白血病細胞)が骨髄で自律的に増殖して正常な造血を阻害し、多くは骨髄のみにとどまらず血液中にも白血病細胞があふれ出てくる血液疾患。

白血病細胞が造血の場である骨髄を占拠するために造血が阻害されて正常な血液細胞が減るため感染症や貧血、出血症状などの症状が出やすくなり、あるいは骨髄から血液中にあふれ出た白血病細胞がさまざまな臓器に浸潤(侵入)して障害することもある。

治療は抗がん剤を中心とした化学療法と輸血や感染症対策などの支持療法に加え、難治例では骨髄移植や臍帯血移植などの造血幹細胞移植治療も行われる。



大きくは急性骨髄性白血病 (AML)、急性リンパ性白血病 (ALL)、慢性骨髄性白血病 (CML)、慢性リンパ性白血病 (CLL) の4つに分けられる。



●白血病の概要

日本血液学会では

『白血病は遺伝子変異の結果、増殖や生存において優位性を獲得した造血細胞が骨髄で自律的に増殖するクローン性の疾患群である。白血病は分化能を失った幼若細胞が増加する急性白血病と、分化・成熟を伴いほぼ正常な形態を有する細胞が増殖する慢性白血病に分けられる。また分化の方向により骨髄性とリンパ性に大別される』

−-引用、日本血液学会、日本リンパ網内系学会編集, 『造血器腫瘍取扱い規約』金原出版、2010年、p.2

としている。




白血病は病的な血液細胞(白血病細胞)が骨髄で自律的、つまりコントロールされることなく無秩序に増加する疾患である。

骨髄は血液細胞を生み出す場であり、骨髄での白血病細胞の増加によって正常な造血細胞が造血の場を奪われることで正常な造血が困難になり、血液(末梢血)にも影響が及ぶ。

あるいは骨髄から血液中にあふれ出た白血病細胞がさまざまな臓器に浸潤(侵入)して障害することもある。



白血病患者の血液中では白血病細胞あるいは病的な白血球を含めると白血球総数は著明に増加することも、あるいは減少することもある。

しかし、正常な白血球は減少し血小板や赤血球も多くの場合減少する。



白血病の症状として、正常な白血球が減ることで感染症(発熱)、赤血球が減少することで貧血になり貧血に伴う症状(倦怠感、動悸、めまい)、血小板が減少することで易出血症状などがよく見られ、また血液中にあふれ出た白血病細胞が皮膚や神経、各臓器に浸潤(侵入)してそれらにさまざまな異常が起きることもある。


治療は抗がん剤を中心とした化学療法によって白血病細胞の根絶を目指し、白血病の諸症状の緩和に輸血や造血因子投与や(抗菌薬やクリーンルームなどの)感染症対策などの支持療法に加え、難治例では骨髄移植などの造血幹細胞移植治療も行われる。


白血病は年に10万人あたりおよそ7人(2005年、日本)が発症する比較的少ないがんであるが、多くの悪性腫瘍(癌、肉腫)は高齢者が罹患し小児や青年層では極めてまれなのに対し、白血病は小児から高齢者まで広く発症するため、小児から青年層に限ればがんの中で比較的多いがんである。


造血の場である骨髄で造血の元になっている細胞が変異したことによって起きるのが白血病であり、癌や肉腫のように固形の腫瘍を形成しないため、胃癌や大腸癌などのように外科手術の適応ではないが、その代わり抗がん剤などの化学療法には極めてよく反応する疾患である。



19世紀にドイツの病理学者ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー(ウィルヒョウ,フィルヒョウ)が白血病を初めて報告して Leukemia(白血病)と名付けたが、かつては白血病は治療が困難で、自覚症状が現れてからは急な経過をたどって死に至ったため、不治の病とのイメージを持たれてきた。

また、白血病は現代においても現実に若年層での病死因の中で高い割合を占めることから、フィクションでは、かつての結核に代わって、癌と並び現代ではしばしば若い悲劇の主人公が罹患する設定になることが多い。



しかし、1980年代以降、化学療法や、骨髄移植 (bone marrow transplantation; BMT)、末梢血造血幹細胞移植 (peripheral blood stem cell transplantation; PBSCT)、臍帯血移植 (cord blood transplantation; CBT) の進歩に伴って治療成績は改善されつつある。


一口に白血病と言っても、大きくは急性骨髄性白血病 (AML)、急性リンパ性白血病 (ALL)、慢性骨髄性白血病 (CML)、慢性リンパ性白血病 (CLL) の4つに分けられ、それぞれは様相の異なった白血病である。

急性白血病では増加している白血病細胞は幼若な血液細胞(芽球)に形態は似てはいるが、正常な分化・成熟能を失い異なったものとなる。


慢性白血病では1系統以上の血液細胞が異常な増殖をするが、白血病細胞は分化能を失っておらず、幼若な血液細胞(芽球)から成熟した細胞まで広範な細胞増殖を見せる。




急性白血病細胞は血液細胞の幼若細胞に似た形態を取り、多くの急性白血病では出現している白血病細胞に発現している特徴が白血球系幼若細胞に現れている特徴と共通点が多い細胞であるが、多くはないが赤血球系統や血小板系統の幼若細胞の特徴が発現した白血病細胞が現れるものもあり、それらも白血病である。


血液細胞は分化の方向でリンパ球と骨髄系細胞に分けられるが、ほとんどの白血病細胞も少しであっても分化の方向付けがありリンパ性と骨髄性に分けることができる。




白血病における慢性と急性の意味は、他の疾患で言う急性・慢性の意味合いとは違う。

急性白血病が慢性化したものが慢性白血病という訳ではなく、白血病細胞が幼若な形態のまま増加していく白血病を「急性白血病」、白血病細胞が成熟傾向を持ち一見正常な血液細胞になる白血病を「慢性白血病」という。

白血病の歴史の中で一般に無治療の場合には白血病細胞が幼若な形態のまま増加していく白血病の方が死に至るまでの時間が短かったので「急性」と名付けられた。

急性白血病が慢性化して慢性白血病になることはないが、逆に慢性白血病が変異を起こして急性白血病様の病態になることはある。



一般的に用いられる形容で、白血病を「血液の癌」と呼ぶが、この形容は誤りである。

漢字で「癌」というのは「上皮組織の悪性腫瘍」を指し、上皮組織でなく結合組織である血液や血球には使えない。

ただし、「血液のがん」という平仮名の表記は正解である。

平仮名の「がん」は、「癌」や「肉腫」、血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で使われているからである。


悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群といった類縁疾患は通常、白血病には含まれないが、悪性リンパ腫とリンパ性白血病の細胞は本質的には同一であるとされ、骨髄異形成症候群にも前白血病状態と位置付けられ進行して白血病化するものもあり、これら類縁疾患と白血病の境目は曖昧な面もある。

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2014年07月23日

nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用は日本人においても転移性膵癌のファーストラインとなり得る

◆nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用は日本人においても
  転移性膵癌のファーストラインとなり得る
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_1


◆Necitumumabは欧米での推奨用量で日本人においても安全に投与可能
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_2


◆重篤な有害事象の全症例を登録するシステムを稼働、
  化学療法の質の向上につなげる取り組み
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_3


◆転移性大腸癌でminor KRAS、NRAS、BRAF、PIK3CA変異型は
  全野生型に比べて抗EGFR抗体薬の有効性が低い
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_4


◆進行胆道癌に対してゲムシタビン/シスプラチン/S-1併用療法が有効である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_5


◆乳癌術後補助化学療法におけるタキサンとアントラサイクリンでは
  味覚異常のプロファイルが異なる
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_6


◆ALK陽性NSCLCの1次治療として、アジア人患者でもクリゾチニブは
  化学療法よりも無増悪生存期間を延長
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_7


◆日本人の固形癌患者でHDAC阻害剤resminostat の800mg/日までの忍容性を確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_8


◆実地臨床におけるレゴラフェニブの安全性と効果はCORRECT試験とほぼ同様、
  単施設の報告
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_9


◆進行非小細胞肺癌に抗PD-1抗体ONO-4538と化学療法の併用は安全で効果も確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_10


◆外来癌化学療法における薬剤師の介入が臨床的効果の改善につながる可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_11


◆移植後にGVHDを合併していない急性白血病患者のQOLは化学療法と変わらない、
  患者調査の結果
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_12


◆新規不可逆的EGFR-TKIであるAZD9291がNSCLCのEGFR抵抗性変異に有効である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_13


◆大腸癌に対する抗EGFR抗体薬の効果を活かすには
  ベバシズマブ投与後6カ月以上のウォッシュアウト期間が必要
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_14

posted by ホーライ at 02:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ALK陽性NSCLCの1次治療として、アジア人患者でもクリゾチニブは化学療法よりも無増悪生存期間を延長

◆ALK陽性NSCLCの1次治療として、アジア人患者でもクリゾチニブは
  化学療法よりも無増悪生存期間を延長
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_1


◆日本人の固形癌患者でHDAC阻害剤resminostat の800mg/日までの忍容性を確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_2


◆実地臨床におけるレゴラフェニブの安全性と効果はCORRECT試験とほぼ同様、
  単施設の報告
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_3


◆進行非小細胞肺癌に抗PD-1抗体ONO-4538と化学療法の併用は安全で効果も確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_4


◆外来癌化学療法における薬剤師の介入が臨床的効果の改善につながる可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_5


◆移植後にGVHDを合併していない急性白血病患者のQOLは化学療法と変わらない、
  患者調査の結果
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_6


◆新規不可逆的EGFR-TKIであるAZD9291がNSCLCのEGFR抵抗性変異に有効である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_7


◆大腸癌に対する抗EGFR抗体薬の効果を活かすには
  ベバシズマブ投与後6カ月以上のウォッシュアウト期間が必要
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_8

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2014年07月19日

乳癌について

●乳癌について

乳癌(にゅうがん、英: Breast cancer)は、乳房組織に発生する癌腫である。

世界中でよく見られる癌で、西側諸国では女性のおよそ10%が一生涯の間に乳癌罹患する機会を有する。

それゆえ、早期発見と効果的な治療法を達成すべく膨大な労力が費やされている。

また乳癌女性患者のおよそ20%がこの疾患で死亡する。




●乳癌の疫学


乳がんに罹患するリスクは年齢と共に増加する。

日本人女性の場合、生涯で乳がんに罹患する確率は16人に1人(欧米は8〜10人に1人)である。

極めて稀に男性も乳癌に罹患することがある。



乳癌に罹患する確率は色々異なった要因で変わってくる。

家系によっては、乳癌は遺伝的家系的なリスクが強い家系が存在する。

人種によっては乳癌リスクの高いグループが存在し、アジア系に比べてヨーロッパ系とアフリカ系は乳癌リスクが高い。

他の明確になっているリスク要因としては以下の通り。



妊娠・出産歴がない。出産回数が少ない。

第一子出産の後、母乳を与えない。なお、関連がないとする報告もあり。

初経年齢(月経が始まった年齢)が低い。

閉経年齢が高い。

ホルモン療法(エストロゲン製剤、ピル等)を受けている。なお、関連がないとする報告もあり。

飲酒

喫煙

高脂肪の食事


20歳時の体重が低いほど、乳がんになりやすい。

閉経後の女性では、成人後の体重の増加が多いほど乳がんになりやすい。

シフトワークによる不規則な生活

女性化乳房(男性の場合)

喫煙については、日本人を対象とした研究では、喫煙女性の乳癌リスクは、非喫煙者に比べて1.9倍となる。




年齢と共に乳癌の発生する確率は高まるが、若年齢で発生した乳癌は活動的である傾向が存在する。

乳癌の一種の炎症性乳癌 (Inflammatory Breast Cancer) は特に活動的で、若い女性に偏って発生し、初診時のステージがIIIbまたはIVであることが多い。

この癌は他とは変わっていて、乳癌のしこりが無いこともしばしば見受けられ、マンモグラフィーや超音波検査で発見することが出来ない。

乳腺炎 (Mastitis) のような乳房の炎症が症状として現れる。

乳癌の予防の可能性の要素として次のようなものがある。



余暇運動への参加が多いほど、乳癌になりにくい。

総身体活動量が高い女性は、閉経後においてホルモン受容体陽性の乳癌になりにくい。

過体重の女性では、週1回以上の余暇運動に参加する人は、乳癌になりにくい。

大豆イソフラボンであるゲニステインの血中濃度が高いグループの乳癌リスクは低い。

味噌汁の摂取が多いほど、乳癌になりにくい。

大豆イソフラボンは乳癌発生率減少と関連している。

総野菜・総果物摂取量全体では、乳がん発生との関連は観察されなかったが、閉経前の女性では、「アブラナ科野菜」の摂取量が高いほど、乳がんになりにくいとの報告がある。

閉経前女性では、マメ科植物、家禽類、ナッツ、魚類の摂取合計が、獣肉(レッド・ミート)摂取に対して多いと、乳癌の相対リスク低下がみられた。




●乳がんの検診

30歳代から高齢の女性ほど罹患率が高い為、今日では多くの国で検診を受けることが推奨されている。

検診には胸部自己診断法 (breast self-examination) とマンモグラフィー (mammography) も含まれる。

いくつかの国では、壮老年女性の全員の毎年のマンモグラフィー検診が実施され、早期乳癌の発見に効果を挙げている。

ただし、検診にもデメリットは存在する。

乳癌患者発見の背後には、その10倍以上の乳癌でない被験者が精密検査へと回り、生検(乳房に針をさす)を受けていることも事実である。

こういったことから、2009年にはアメリカの予防医学作業部会が40代の定期的なマンモグラフィ検診は推奨しないと発表し、大きな議論となった。

マンモグラフィーは早期乳癌を発見する為の選択肢のひとつであり、これひとつですべての年齢、すべての乳癌の、早期発見がカバーできるものではない。

欧米では生涯乳癌リスクが20%以上の女性に対して造影剤を用いたMRIによるスクリーニングが推奨されている。

日本では現在、40代における超音波検査の併用検診の効果について大規模な臨床研究が行われている。

CTはX線被曝や費用の問題もあり、検診に用いられることは希である。

20歳代での検査は、マンモグラフィ(描出率43%)よりも乳房超音波検査(描出率86%)が診断に有用である可能性が示唆された。



●乳がんの検査

壮老年女性の検診は増加しているのにも関わらず、多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、かかりつけ開業医などが乳房のしこりを発見することである。

一般的な乳癌のスクリーニング検査としては、問診、触診、軟X線乳房撮影(マンモグラフィー)、超音波検査等が実施される。

臨床的に疑いが生じると、乳房MRI検査および細胞診や生検が実施され病理学的診断により癌であるかどうか判別される。

細胞診は多くの場合、超音波装置の誘導で腫瘍内に細い針を挿入し腫瘍細胞を採取する。

生検にはいくつかの種類があるが、超音波ガイド下にやや太目の針を挿入して腫瘍の一部を採取する針生検が最もスタンダードである。

細胞診や針生検で診断が困難な場合には、超音波またはマンモグラフィーを取る機械を用いたマンモトーム生検、MRI検査でしか描出できない多発乳がんなどの場合は、MRI検査をしながら生検を行うMRIガイド下乳腺生検が行われることもある。



●乳がんの病理診断

病理医はふつう、腫瘍の組織型と、顕微鏡的なレベルの進行度合い(浸潤性であるか否か、など)を生検の報告に記述している。

浸潤性乳癌の殆どは腺癌 (adenocarcinoma) であり、その中で最も普通の亜型は浸潤性乳管癌 (infiltrating ductal carcinoma ICD-O code 8500/3) である。

他の亜型としては浸潤性小葉癌 (infiltrating lobular carcinoma ICD-O code 8520/3)、髄様癌(medullary carcinoma)、粘液癌(mucinous carcinoma)、管状癌(tubular carcinoma)、浸潤性微小乳頭癌(invasive micropapillary carcinoma)、化生癌(metaplastic carcinoma) などがある。

稀に、腺癌以外の癌腫(あるいは癌腫以外の悪性腫瘍)がみられる。


また乳腺の増殖性病変の一部は乳癌と紛らわしい良性病変、良性と紛らわしい乳癌の顕微鏡像を呈することがあり、正しい診断に到達するためには、免疫染色という方法を用いることがある。

乳腺病理専門医にたいしてセカンドオピニオンを求めたり、針生検においては無理に最終診断を下さず切除生検を推奨することも、時に重要となってくる。

診断が付くと、次は癌の病期の判定に移る。腫瘍の広がり具合と、浸潤や転移の有無を、病期判定の尺度とする。



●乳がんの病期

乳癌の病期(ステージ)は腫瘍の乳房内での広がり、リンパ節への転移の有無、癌細胞の遠隔転移で決まってくる。

腫瘍の乳房内での広がりには、腫瘍のサイズ、皮膚や胸壁への浸潤の有無、炎症性乳癌という病態かどうかが含まれる。

浸潤・転移が疑われリスクが高い場合は、CTスキャン、骨(シンチグラフィー)、フルオロデオキシグルコース陽電子断層撮影(FDG-PET)、磁気共鳴画像(MRI)、血液検査等の追加の検査で、遠隔転移の発見が試みられる。

腫瘍医はTNM分類で区分を簡潔に表現し、推奨される治療法を決定する。

癌の病期を分類する一つの方法としてもTNM分類が使われる。

TNMとはTumour(腫瘍)、Nodes(リンパ節)そしてMetastasis(転移)の頭文字を取りを短くしたものである。

あるいはエストロゲン受容体 (estrogen receptor) 、HER2/neu癌遺伝子、増殖マーカーであるKi-67 indexなど生物学的要因もまた、治療を選択する上での要点となる。



●乳がんの治療

乳癌の治療は原則的には外科的切除であり、抗がん剤や抗エストロゲン剤など化学療法と放射線療法が併用される。


外科手術

手術StageT〜VAに対して適応となる。最近では、乳房温存術と乳房切除術とでは予後に差が無いことが報告されてきており、手術は拡大手術ではなく縮小手術が行われる傾向にある。

乳房温存術(lumpectomy 腫瘤のみを摘出 乳腺腫瘤摘出術)

乳房切除術(mastectomy 乳房を切除ないし完全に切除する) 胸筋合併乳房切除術

胸筋温存乳房切除術


腫瘤の大きさによって切除範囲が選択されるため、>3cm以上の大きな腫瘤や、胸壁や皮膚へ直接浸潤しているような進行している場合には広範囲切除となる。

切除断端陽性(遺残)が再発の高リスクであるため出来る限りの腫瘤摘出が望まれる。

手術の際には、リンパ節郭清として、センチネルリンパ節生検(sentinel lymph node biopsy)が行われ、リンパ節転移のある場合に腋窩リンパ節郭清が行われる。




放射線療法

乳房温存術後の局所再発の予防を目的とした乳房全照射が行われる。

転移および再発における症状緩和を目的とした照射がある。



●乳がんの化学療法

術後化学療法は再発リスク評価に応じて適用され、内分泌薬・抗がん剤・分子標的治療薬の3種類を用いて行われる。

また術前化学療法も行われる。

また再発・転移性乳癌においても化学療法が行われる。


内分泌薬乳癌はエストロゲン依存性であることが多いことから、エストロゲン受容体(ER)・プロゲステロン受容体(PgR)の発現の高いものは内分泌薬が奏功する。

抗エストロゲン薬:タモキシフェン

アロマターゼ阻害薬:アナストロゾール・エキセメスタン・レトロゾール

LH-RH作用薬:

閉経前後で以下の通りに行われる。

1.閉経前女性:抗エストロゲン薬+LH-RH作用薬

2.閉経後女性:抗エストロゲン薬 or アロマターゼ阻害薬


抗がん剤以下の通りに行われる。基本的にER/PgR発現の低いもの(陰性)の場合に行われる。

CMF(シクロホスファミド+メソトレキセート+フルオロウラシル)

CAF(シクロホスファミド+アドリアシン+フルオロウラシル)

AC(アントラサイクリン系:ドキソルビシン+シクロホスファミド)



●分子標的治療

ヒト上皮成長因子受容体2(HER-2)陽性の場合、分子標的治療薬が奏功する。

トラスツズマブ:HER-2モノクローナル抗体

ラパチニブ:EGFR・HER-2低分子阻害薬


mTOR阻害剤

エベロリムス





●乳がんの予後

長期治療成績は診断確定時の乳癌の病期(ステージ)と癌がどのように治療されたかに依存する。

一般的に言って、早期発見されればされるほど予後は良い。

早期であればほとんどの乳癌が手術によって根治する。

男性乳癌では女性乳癌と比較して大胸筋浸潤を起こしやすく、進行癌で発見される確率が高いため、5年生存率40〜50%と予後は不良であると考えられてきた。

しかしながら、近年の例によると女性患者と比べても全生存率、無病生存率ともに変わらないことが指摘されている。

また、外科的手術を行った場合、主に審美的な観点、および、患者の精神的なケアの観点から、乳房再建術が行われることがある。


以上

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2014年07月16日

大腸癌の治療のニュース

エリアレビュー・大腸癌
対談 最新の試験結果から大腸癌の一次治療を考える【ASCO2014】
熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学教授 馬場秀夫氏、
愛知県がんセンター中央病院薬物療法部部長 室圭氏
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_223526_--_75113_--_1

ラベル:大腸癌
posted by ホーライ at 01:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

肉腫について(1)

●肉腫について(1)

肉腫(にくしゅ、sarcoma)とは、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管等と言った非上皮性細胞由来の結合組織細胞に発生するがんである。

悪性腫瘍には含まれるが、狭義の癌腫とは区別される。



●骨腫瘍と軟部腫瘍

骨のがんである骨肉腫も、前述の病理学的定義から言えば肉腫のひとつであるが、臨床的所見上は、固い組織から生じる固い病変であり、語源とは異なっている。

また、顕微鏡的所見や治療方法についても他の肉腫と異なるところが多い(良性の間葉系腫瘍についても、同様に骨腫瘍とそれ以外とでは違いが大きい)。

このため、腫瘍整形外科領域では骨と軟骨以外の間葉系組織=軟部組織から生ずる肉腫を「軟部肉腫」(或いは「悪性軟部腫瘍」)としてひとまとめに扱う。


●肉腫の一覧

軟部肉腫(Soft tissue sarcomas) (組織型別) 線維肉腫(Fibrosarcoma) - 歯原性肉腫(エナメル上皮線維肉腫)など

悪性線維性組織球腫

皮膚線維肉腫

脂肪肉腫(Liposarcoma)

横紋筋肉腫(Rhabdomyosarcoma)

平滑筋肉腫(Leiomyosarcoma)

血管肉腫(Hemangiosarcoma)

カポジ肉腫(Kaposi's sarcoma)

リンパ管肉腫(Lymphangiosarcoma)

滑膜肉腫(Synovial sarcoma) - 関節滑膜由来の肉腫としてこのように命名されたが、現在は由来不明の腫瘍として扱われている

胞巣状軟部肉腫- 由来不明

骨外性軟骨肉腫

骨外性骨肉腫




悪性末梢神経性腫瘍 - 現在のWHO分類では、軟部肉腫と区別している 悪性末梢神経鞘腫瘍 - 現在の分類では「神経線維肉腫」と「悪性神経鞘腫」を区別しない

悪性骨腫瘍 (組織型別) 骨肉腫

軟骨肉腫(Chondrosarcoma)

顆粒球肉腫

ユーイング肉腫

骨原発の線維肉腫

悪性骨巨細胞腫/骨原発の悪性線維性組織球腫

骨原発の脂肪肉腫

骨原発の血管肉腫



以上
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2014年07月15日

日本における抗がん剤

●化学療法 (悪性腫瘍)について(8)

●日本における抗がん剤

日本国内においては薬事法上、厚生労働大臣の承認を得た薬剤でなければ製造・販売が認められない。

すでに海外で市販されている薬剤においても例外ではなく、日本国内での臨床試験を経て承認審査が行われる。

この承認手続きには通常1年以上の期間を要するため、海外ですでに標準治療薬とされている薬剤が日本国内では使用できない事態が生じることがある。

特に新規抗がん剤において顕著であり、問題視されることがある。

なお、個人輸入に関してはこの制限を受けないが、厚生労働省は安易な個人輸入は危険であり行うべきではないとしている。


●癌の長期管理

化学療法の副作用以外に癌の長期管理では様々な問題がおこってくる。

ここでは主に支持療法と呼ばれる分野の解説を行う。



疼痛管理

癌性疼痛の他に、医原性の疼痛も存在する。

これらは緩和医療に詳しく書かれている。

悪心主に化学療法の副作用によって起こるが、それ以外のものもある。

最も頻度が高いのは急性嘔吐であり、これは治療後24時間以内におこる。

これは化学療法の副作用と考えられており、制吐剤を治療前に投与するなどしてコントロールする必要がある。

治療後1週間以内におこる嘔吐を遅延性嘔吐というが頻度は高くない。

まだ化学療法の苦痛が条件反射によって組み込まれ、治療前に嘔吐する先行性嘔吐というものもある。


滲出液

栄養

心理面これはキューブラーロスによって詳しく研究されている。

死に行く病でどこまで治療効果を求めるかは患者の価値観によって変わってくる。


以上
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2014年07月13日

固形がんに対する化学療法の効果判定

●化学療法 (悪性腫瘍)について(7)

●支持療法

腫瘍崩壊症候群

重症リンパ腫のような重篤な腫瘍の場合、患者によっては悪性腫瘍細胞が急速に崩壊し、腫瘍崩壊症候群を発症する。

腫瘍崩壊症候群は治療しないと致命的な危険な副作用である。

メイロンによる尿のアルカリ化大量輸液を行うことが多い。




●特徴的な支持療法

HD-MTXの支持療法

大量メソトレキセート療法は支持療法の進歩によって可能となった治療である。

BBBの存在によってリツキサンといった分子標的薬が届かない中枢性悪性リンパ腫の治療などで用いられる。

酸性尿下ではメソトレキセートの溶解性が低下し、尿細管内にMTXの結晶が沈着し排出障害を招く。

尿pHが7よりも小さい時は輸液500mlあたりメイロンを1A追加投与を行い尿のアルカリ化を図る。

また活性型葉酸誘導体であるロイコボリン(フォリン酸)を同時投与することで正常細胞の破壊を防ぐことができ、フォリン酸レスキュー療法と言われている。

葉酸代謝拮抗薬が含まれるST合剤はメソトレキセート投与中は行わないのが一般的である。

48時間後のMTX血中濃度1未満、72時間MTX血中濃度が0.1未満でなければロイコボリンを追加、投与延長を行う。



HD-AraCの支持療法

シタラビンの大量療法も特徴的な支持療法が必要である。

シタラビン症候群ともいわれるが投与後4〜6時間後に発熱、全身倦怠感、骨痛、筋肉痛、皮疹、結膜炎が出現することがある。

ステロイド点眼薬を予防的に用いることが多い。出

現時は全身ステロイドが有効とされている。



シクロホスファミドとイホスファミド

副作用に出血性膀胱炎がある場合である。

これらの抗がん剤は大量輸液を行い、さらに投与直前、4時間後、8時間後にウロテキサミン(メスナ)を投与する。

抗がん剤投与中は尿潜血をチェックし尿潜血が+2以上であれば輸液量を増やしたりする。




●固形がんに対する化学療法の効果判定

化学療法の効果判定は、腫瘍縮小率、もしくは延命期間を指標として行う。

化学療法の本来の目的は延命効果であり、比較試験では延命期間が重要視される。

一方、日常診療ではより簡便な腫瘍縮小率を用いる。

国際的にはWHOガイドラインもしくはRECISTガイドラインが用いられるが、日本では独自の効果判定基準が広く用いられている(各々の「癌取扱い規約」で定められている)。



●日本癌治療学会固形がん化学療法直接効果判定基準(1986)

著効(完全反応、完全寛解、CR(=Complete Response) ともいう)

画像上、全てのがんが消失した状態が4週間以上持続すること。

なお、「画像上、全てのがんが消失した」=「完治」とは限らない。

むしろ画像に写らないサイズのがんが残っている可能性が相当ある。



有効(部分反応、部分寛解、PR(=Partial Response) ともいう)


がんの大きさを2方向で評価できるならば、がんの面積の縮小率が50%以上になり、それが4週間以上持続すること。

がんの大きさを1方向でしか評価できないならば、がんの長さの縮小率が30%以上になり、それが4週間以上持続すること。



不変(NC(=No Change)ともいう)


がんの大きさを2方向で評価できるならば、がんの面積が50%未満の縮小〜25%以内の増大の範囲で、かつ、新病変が出現しない状態が4週間以上持続すること。

がんの大きさを1方向でしか評価できないならば、癌の長さがの30%未満の縮小〜25%以内の増大の範囲で、かつ、新病変が出現しない状態が4週間以上持続すること。


進行(PD(=Progressive Disease))

がんの面積や長さが25%以上増大、新病変の出現奏効率


(著効+有効)となる率。

化学療法が効いて完治した率ではない。

こうした効果判定の用語は、がんの縮小のみに着目しており、完治したとか、寿命が延びたとかいうことは着目していないことに注意すること。

日本癌治療学会では2003年以降、RECISTガイドラインの使用を推奨している。
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2014年07月11日

化学療法 (悪性腫瘍)について(6)

●化学療法 (悪性腫瘍)について(6)

●支持療法

●消化器症状の支持療法

口内炎化学療法による粘膜障害や感染によって難治化しやすい。

化学療法を行う場合は口腔内ケアを行い、また極端に熱いものの摂取を控える。


嘔吐延髄に存在する嘔吐中枢(VC)は嘔吐に関連した反応を制御する反射中枢である。

延髄にあるCTZにドパミン、セロトニン、アセチルコリン、サブスタンスPのレセプターがあり、この部位も化学療法の嘔吐に関与するとされている。

化学療法による嘔吐は3つの機序が提唱されており、基本的には発症時期で分類する。

acute emesisは抗がん剤投与開始から1時間〜24時間以内に起こる嘔吐である。


CDDPによるものが有名である。CMZの5-HT3受容体や消化管壁の5-HT3受容体の刺激によって起こると考えられている。

5-HT3受容体拮抗薬(ドラセトロン (dolasetron)、グラニセトロン (Granisetron)、オンダンセトロン (Ondansetron))が使用される。

デキサメタゾンを併用することもある。

late emesisは抗がん剤投与から24〜48時間ごろより始まり5日ほど持続することもある嘔吐である。

機序は不明であるがセロトニンの関与は薄く5-HT3受容体拮抗薬は効果が薄い。通常はメトクロプラミド(Metoclopramide) やデキサメタゾンを用いて対処することが多い。

anticipatory emesis(予測性嘔吐)は前回の化学療法の悪心コントロールが不良であった場合に起こりやすい、化学療法投与前に出現する嘔吐である。



精神的要因が大きく、大脳皮質がVCを刺激するためと考えられている。

ロラゼパムやアルプラゾラムと投与にて軽快する。

ある調査研究、あるいは患者団体の要望によると、マリファナ療法から派生したカンナビノイドを使用すると、化学療法の吐き気や嘔吐が減弱し、患者は食事をとることができるようになるとされている。


下痢下痢の機序は2つ考えられている。

化学療法当日に出現する早発性下痢は抗がん剤によって、自律神経が刺激され蠕動が亢進する結果おこるコリン作動性の下痢である。

化学療法後数日〜2週間程度で起こる遅発性下痢の場合は消化管粘膜障害によるものである。

この場合は好中球減少の時期と重なるため感染症に注意が必要である。

下痢に関してはロペラミドを用いることが多い。
ラベル:副作用対策
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2014年07月09日

化学療法 (悪性腫瘍)について(5)

●化学療法 (悪性腫瘍)について(5)

●支持療法

●感染症の支持療法

発熱性好中球減少症では感染症の進行が急激であり、また典型的な身体所見が欠如することもしばしば認められる。

カリニ肺炎などの予防目的としてST合剤を予防投与したり、抗真菌薬シロップを用いることもある。


●骨髄抑制の支持療法

原理的には、全ての化学療法の投薬は免疫系の抑制を引き起こし、骨髄機能を麻痺させ赤血球や血小板などの血液細胞(血球)を減少させる。

赤血球や血小板の減少は、生じたとしても輸血により補うことができる。

好中球減少症(Neutropenia; 好中球が 0.5 × 109/リットル以下に減少)は合成G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子 granulocyte-colony stimulating factor)で補える。

場合によっては投薬により重篤な骨髄抑制が発症し、造血幹細胞(血球の幹細胞)が破壊される。

それは他者あるいは自己からの造血幹細胞移植が必要になることを意味する。



自己移植(自己骨髄移植または自己末梢血幹細胞移植)は治療前に患者から取り出した造血幹細胞を培養し、化学療法後に再度注入する方法である。

他者からの同種造血幹細胞移植はドナー探しが必要となる。



患者によっては骨髄障害によって病状が進行する場合もある。

重篤な骨髄抑制を防ぐために多くの化学療法で骨髄抑制の強さは回復可能なレベルに保たれている場合が多い。



末梢血中の好中球の寿命は約8時間であり、白血球数は化学療法試行後7〜14日で最低値となる場合が多く、ナディア(nadir)期といわれる。

血小板の寿命は約7日であり、血小板減少は化学療法後約1週間から出現し2〜3週でナディアになる場合が多い。

赤血球の場合は寿命が120日と長いため貧血は数週から数か月で緩徐に発現する場合が多い。


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2014年07月07日

白血病の疫学

●白血病の疫学

世界のどの民族でも多い急性骨髄性白血病では世界平均の罹患率は10万人あたり年間2.5-3人といわれ日本よりやや低くなっている。

若い患者もいる白血病といえども高齢者ほど罹患率は高いので高齢人口割合が高くなると白血病の罹患率も高くなる。


また慢性リンパ性白血病は欧米では急性骨髄性白血病と並んで多い白血病だがアジアでは少なく、成人T細胞白血病はカリブ海諸国、アフリカ中部大西洋沿岸諸国、及び日本で見られるなど地域・民族によって白血病発症の特性は違い、白血病全体ではアジア人よりも欧米人の方が罹患率は高い傾向があるなど、白血病の罹患率は民族や年齢、性別によってその内容は異なる。



●日本の白血病発症率

1997年の日本の統計では全白血病の発症率は年間に男性で10万人あたり7人、女性で10万人あたり4.8人、合計で年間に人口10万人あたり約6人程度と見られている。

そのうち急性白血病が10万人あたり4人程度、急性白血病では大人で80%子供で20%が急性骨髄性白血病 (AML)、大人で20%子供で80%が急性リンパ性白血病 (ALL) で全体としては2/3が急性骨髄性白血病、1/3が急性リンパ性白血病といわれている。


つまり ALL では小児が多く、AMLでは大多数が成人で発症年齢中央値が60歳である。

慢性骨髄性白血病の発症率は10万人あたり1-1.5人程度、慢性リンパ性白血病は白血病全体の1-3%程度で少ないと見られている。

しかし日本では少ない慢性リンパ性白血病は欧米では全白血病の20-30%を占めている。


また、小児全体では白血病の発症率は年間10万人あたり3人程度とされるが、小児では慢性白血病は少なく5%程度で、小児の急性白血病の80%はリンパ性であり、男児にやや多い。

高齢者人口が1997年より増えた2005年の日本の統計では高齢化によって白血病も増えており、2005年国立がん研究センターの統計では日本では年間9000人が白血病に罹患し、人口10万人あたり7.1人の罹患率となっている。

そのうち男性が約5300人女性が約3700人で男性の10万人あたり罹患率は8.3人、女性では5.9人となっている。

2005年の日本では67万6千人が新たにがんに侵され、人口10万人あたりでは年間529人のがん罹患率なので白血病は全がんの1.3%を占めている。

地域別では九州・沖縄で白血病が多いがこれは地域特性のある成人T細胞白血病(後述)の発症率の差によるものである。

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2014年07月04日

化学療法 (悪性腫瘍)について(4)

●化学療法 (悪性腫瘍)の用量

化学療法剤の用量については難しさがある。

少なすぎれば腫瘍に効果が無く、多すぎれば患者が耐えられない毒性(副作用や好中球減少症 neutropenia)が発現する。

そのために多くの病院では用量や毒性の補正のガイダンスとなる詳細な「投薬計画 (dosing schemes)」を作成する。



多くの場合には、患者の体表面積値 (body surface area, BSA) で用量を補正する。

体表面積値は身長と体重から計算で求めた、体容積の概算値である。

普通BSA値は、実際に計測するよりも、計算するか数表 (nomogram) を使って計算する。



●化学療法 (悪性腫瘍)の投与

多くの化学療法は静脈内投与により行われる。

患者によったり、がんの種類・段階および化学療法の種類と用量によって、静脈内投与化学療法は入院になるか通院になるかが決まる。

プレドニゾンやメルファランなど少数の薬剤は経口投与である。

また、中心静脈により投与がされることもあり、その場合、末梢静脈の炎症を予防しつつ確実に循環器系に薬剤を投与できる。


●化学療法 (悪性腫瘍)の副作用


有害事象共通用語基準 v4.0に詳細に記載されている。

治療は患者の身体的な拒絶を受ける。

現在の化学療法技術では副作用の範囲は主に身体の細胞分裂が亢進した細胞にたいして生じる。

(薬剤特有の)重大な副作用を次に示す。

頭髪を失う

吐き気ならびに嘔吐

下痢または便秘貧血(致死的な重篤度の)

感染や敗血症を引き起こすほどの免疫系の抑制出血


二次がん

化学療法は心臓血管系疾患のリスクをも増大させ、時として二次がんの原因となる。

このため「抗がん剤は発がん剤」などと批判する人もいる。

しかし、二次がんにならない確率の方がずっと高い上に、不幸にして二次がんになるとしても通常は何年も先のことである。

既にがんになってしまった人が、二次がんを過剰に心配し、今のがんに効くかもしれない化学療法を否定してしまうというのは合理的とは言いがたいであろう。

心毒性

肝毒性

腎毒性

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2014年07月02日

早期の腫瘍縮小と効果の深さが転移を有する大腸癌の生存延長に寄与、

■■■■【抗がん剤のニュース】2014/07/02■■■■


◆早期の腫瘍縮小と効果の深さが転移を有する大腸癌の生存延長に寄与、
  FIRE-3試験データを独立画像評価委員会が解析
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_1


◆進行・再発の結腸・直腸癌へのTAS-102の有効性を証明した
  フェーズ3試験RECOURSEの詳細が明らかに
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_2


◆KRAS野生型の大腸癌のファーストライン治療として化学療法+ベバシズマブと
  化学療法+セツキシマブはPFSの詳細な評価でも差はなし、CALGB試験より
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_3


◆標準治療施行後に進行した大腸癌のアジア人患者でもレゴラフェニブがOSを改善
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_4


◆抗グアニル酸シクラーゼC抗体-薬物結合製剤MLN0264がGCC発現進行胃腸系癌に
  有用である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_10



◆進行胃癌のセカンドライン治療としてramucirumab+パクリタキセルは
  QOLの評価でも良好な結果
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_11



◆大腸癌のRAS遺伝子変異検査キットのRASKET KITは高感度で高特異性を示す
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_12



◆85歳以上の超高齢者の大腸癌に対する腹腔鏡下手術は安全に施行可能
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_13



◆進行胃癌のセカンドライン治療としてのramucirumab+パクリタキセルは
  欧米人患者のサブグループ解析でも有効性と安全性が一致
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_14



◆転移を有する食道癌にネダプラチン、5-FU、ドセタキセルを併用する
  UDONレジメンが有用な可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_15



◆切除不能または再発胃癌にS-1とnab-パクリタキセルの併用が有用である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_16



◆nab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用は進行膵癌のファーストライン治療
  として膵内の原発腫瘍の部位によらず有効
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_17



◆ゲムシタビン既治療の膵癌にナノリポソーム型イリノテカンMM-398と
  5FU/ロイコボリンの併用が有効
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_18



◆進行膵癌でCRP高値の患者のセカンドライン治療として
  ruxolitinibとカペシタビンの併用が有望
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_222027_--_74784_--_19



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2014年07月01日

超お勧め本★乳がんと診断されたらすぐに読みたい本 ~私たち100人の乳がん体験記

『がんになったらまず読む本』 『家族ががんになったらまず読む本』




超お勧め本★乳がんと診断されたらすぐに読みたい本 ~私たち100人の乳がん体験記


いま、年間に約6万人の方が「乳がん」と診断されています。

突然の診断に驚き、これからどうなるのかと不安になる方が多いと思います。

そんなときに役に立つ本が作りたい、何より“仲間がいる"と思うだけでどれだけ救われることか――そんな思いから誕生した本です。



本書は2部構成になっています。

前半が著者の体験談で、乳がんの発覚から手術、抗がん剤治療、リハビリ、ホルモン療法といった治療全般に関すること。

また、治療そのものの体験だけではなく、それから気になる治療費のこと、髪の毛(抗がん剤治療で脱毛)やウィッグのこと、仕事のこと、告知、がん保険、治療中の子育て、術後も温泉に行くには……などなど、生活に関するさまざまな疑問や問題について、明るく、ときにユーモラスに語っています。



後半部分では、約120名もの、さまざまなタイプやステージ、治療内容を選択した闘病仲間たちの、治療・生活に関する “本音"を、円グラフやコメントで紹介しています。


乳がんと診断されたばかりで「これからどうしたらよいかわからない」と困っている方にとって、本書が有効な参考書になってくれたら、抱えているその不安を少しでも解消してもらえたら……著者と仲間たちのそんな願いが込められている一冊です。



第1章 治療のこと

これから治療を受けられる方、ご家族の方へ 乳がんの治療って、こんな感じで結構バラエティに富んでます!

◎私の治療スケジュール/◎受診・告知・術前検査/◎手術・リハビリ・病理検査/◎抗がん剤治療

◎髪の毛のこと/◎放射線治療・ホルモン療法・術後検査/◎治療のこと(補足)



第2章 生活のこと

治療中って生活はどうなるの!? そんな不安にお答えします!

◎お金のこと/◎日々のこと



★100人の体験記 アンケート結果《データ&コラム》

・乳がん発見の経緯/定期検診は受けていましたか?/温存・全摘の選択/再建の予定は?

・初回受診から手術までの期間/乳房再建の方法は?/入院時に持っていってよかったもの/リハビリで腕はいつ上がるの?

・病理タイプ別治療体験記(ステージ・核グレード・サブタイプほか)/治療と妊娠/いろいろな抗がん剤/副作用対策

・ウィッグの費用について教えて! /いつ脱ヅラしましたか?

・ホルモン療法の副作用は?/ホットフラッシュはありましたか?/術後検査について

・抗がん剤治療中の「体重」/リンパ浮腫の予防/海外での治療

・みんなの治療費(表)/がん保険、あなたは?

・子供とのエピソード/障害のある子供と私の治療生活/仕事はどうしましたか?/乳がんになった一番の原因って何だと思う?

・職場で病気のことを公表しましたか?/術後、温泉には行っていますか?……ほか




とにかく読みやすい。

まずは読み易さに★5つ

文字も大きいし、出てくるエピソードでも笑えるし、要所要所のまとめから後半の100人体験記のアンケート結果につながるように工夫されていて、読み返すことが苦にならないつくりになっている。


乳がん関連本を大別すると、医療者による「病気・治療の解説」と体験者の「闘病記」になる。

この本はそのどちらでもなく、「乳がんと診断されて頭がの中が真っ白になってこれから〜・・・」の時に、何が知りたいか、どういう情報に出会えば気持ちが落ち着くかを終始一貫して患者目線で表現している本だ。

がん=死ぬかも、苦しいかも、のイメージにつながってしまいがちで、乳がんと言われたときに得体の知れない不安に陥るのもこのためだと思う。

相手が何ものか分からない、自分がどうなっていくか分からないから、「病気・治療の解説」本や「闘病記」を読むのだろうが、それではこの不安は拭えない。


どこの病院でどんな治療をすれば良いの?乳がん手術後の傷はどんなだろう?抗がん剤やホルモン剤の副作用は?髪の毛はどうなるの?仕事は続けられる?子育てはどうなる?お金はどれくらいかかる?


解説本や闘病記を読んでも不安に対する答えはなかなか出ないだろうし、自分の事がはっきり把握できない混乱した状態で細かく詳しい解説本を読んでも、かえって不安が増すことも。


悩んできたであろう多くの体験者のリアルな言葉を読むと、乳がんという未知のものに対したときに感じる不安が和らぎ、気持ちが落ち着くのではないかと感じられた。

ある医師の著書に「患者会は情報の宝庫」と書いてあった。

まさにその通りで、時間や居住地などの制約がありリアルな患者会には参加できない人でもこの本を読むことで自分に合う情報・知りたい情報が得られる場合もあるかも。

私は一人のがん患者として一番怖いのは、がんそのものよりも「がん患者」になって怖れと不安で前向きになれず気分が落ち込むことだと思っている。

そしてがん患者のほとんどは程度の差はあれそんな気分の落ち込みを感じることがあるだろう。

がん患者はとても孤独になることがある。これは辛い。

そんな時に読む本としても優れものだと思う。





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