肺癌について

●肺癌について

肺癌(はいがん、Lung cancer)とは肺に発生する、上皮細胞由来の悪性腫瘍。

90%以上が気管支原性癌 (bronchogenic carcinoma) 、つまり気管支、細気管支あるいは末梢肺由来の癌である。

国際肺癌学会によれば、肺癌は世界的に最も致死的な癌であるが、その理由の1つは、多くの場合発見が遅すぎて効果的な治療を行うことができないことであり、早期に発見された場合は手術か放射線治療でその多くを治癒することができる。




●肺癌の疫学

WHOの試算では、肺癌による死亡者数は全がん死の17%を占め最も多く、世界中で年間130万人ほどがこの疾患で死亡している。

日本では2005年の統計で、全がん死の19%を占め、男性では全がん死の中で最も多く、女性では大腸癌(結腸がんおよび直腸がん)・胃癌に次いで3番目を占めている。



西側諸国では、肺癌は癌患者数の第二位に位置し、男性でも女性でもがん死のトップである。

西側諸国では男性の肺癌死亡率は低下傾向であるが、女性の喫煙者グループの増大とともに肺癌死も増加している。




●肺癌の要因

喫煙と肺がん

最大の原因は喫煙である。

喫煙を開始する年齢が低ければ罹患する可能性が増し、また自分が喫煙しなくとも周りの人が喫煙すれば肺がんになる可能性が20-30%高くなると言われる。

1日あたりの喫煙するタバコの本数と喫煙している年数をかけ合せた数字(喫煙指数)が600以上の人は肺がんの高危険群である。

概して喫煙者の肺がん死亡リスクは非喫煙者の4倍から5倍、それも喫煙量が1日あたり20本以上なら10倍以上であり、喫煙開始年齢が低いとさらに増加することは前述の通りである。




ラドン

ラドンは多くの国で喫煙に次ぐ第2位の肺がんの原因であり、全ての肺がんの3〜14%がラドンに起因すると推測されている。

ラドンの肺がんリスクは、ラドンの濃度が高いほど大きい。

しかし、多数の人々が家庭内で低濃度の屋内ラドンにさらされているため、実際にラドンによって誘発される肺がんは、高濃度のラドンではなく、むしろ低〜中濃度のラドンによるものの方が多いとされる。

特殊な職業に携わる人はアスベスト、クロムによる肺がんに罹患することがある。

その他の原因には大気汚染、放射線、遺伝的感受性、ウイルス、食事の欧米化が挙げられてはいるが疫学的に確かな証明はない。




●アスベスト・喫煙による肺がん増加要因の推察

岡山大学教授の中村栄三は自身の専門である地球化学的手法を適用し、次のように報告している。

アスベスト吸入や喫煙によって、肺内で含鉄タンパク質小体が形成される。

この含鉄タンパク質が海水中のラジウム(Ra)の100万倍から1000万倍という濃度のラジウムホットスポットを形成する。

226Raが崩壊すると222Rnとなるが、フェリチン中のフェリハイドライト構造中で発生したラドン(Rn)は呼気によって体外に逃げないため、222Rn (3.8日), 218Po (3分), 214Po (0.16ミリ秒)といった崩壊系列による連続的なアルファ線を体内で浴びる事になる。

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2014年07月28日

FDAがCLLなど3つの血液癌の治療薬としてidelalisibを承認

■■■【抗がん剤のニュース:がん治療の最新のニュース】■■■

◆がん性胸膜炎?痛みで寝れない!
https://www.askdoctors.jp/topics/2086530

◆FDAがCLLなど3つの血液癌の治療薬としてidelalisibを承認
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/201407/537679.html

◆リツキシマブが難治性ネフローゼの再発を抑制
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201407/537488.html?ref=RL2

◆経口選択的BCL-2阻害剤ABT-119が単剤で再発・難治性の非ホジキンリンパ腫に有効な可能性
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/gakkai/sp/eha2014/201406/537057.html?ref=RL2

◆高リスク慢性リンパ性白血病にもBcl-2阻害剤ABT-199は75%以上の奏効率
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/gakkai/sp/eha2014/201406/537073.html?ref=RL2

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白血病とは?

●白血病とは?

白血病(はっけつびょう、Leukemia)は、「血液のがん」ともいわれ、遺伝子変異を起こした造血細胞(白血病細胞)が骨髄で自律的に増殖して正常な造血を阻害し、多くは骨髄のみにとどまらず血液中にも白血病細胞があふれ出てくる血液疾患。

白血病細胞が造血の場である骨髄を占拠するために造血が阻害されて正常な血液細胞が減るため感染症や貧血、出血症状などの症状が出やすくなり、あるいは骨髄から血液中にあふれ出た白血病細胞がさまざまな臓器に浸潤(侵入)して障害することもある。

治療は抗がん剤を中心とした化学療法と輸血や感染症対策などの支持療法に加え、難治例では骨髄移植や臍帯血移植などの造血幹細胞移植治療も行われる。



大きくは急性骨髄性白血病 (AML)、急性リンパ性白血病 (ALL)、慢性骨髄性白血病 (CML)、慢性リンパ性白血病 (CLL) の4つに分けられる。



●白血病の概要

日本血液学会では

『白血病は遺伝子変異の結果、増殖や生存において優位性を獲得した造血細胞が骨髄で自律的に増殖するクローン性の疾患群である。白血病は分化能を失った幼若細胞が増加する急性白血病と、分化・成熟を伴いほぼ正常な形態を有する細胞が増殖する慢性白血病に分けられる。また分化の方向により骨髄性とリンパ性に大別される』

−-引用、日本血液学会、日本リンパ網内系学会編集, 『造血器腫瘍取扱い規約』金原出版、2010年、p.2

としている。




白血病は病的な血液細胞(白血病細胞)が骨髄で自律的、つまりコントロールされることなく無秩序に増加する疾患である。

骨髄は血液細胞を生み出す場であり、骨髄での白血病細胞の増加によって正常な造血細胞が造血の場を奪われることで正常な造血が困難になり、血液(末梢血)にも影響が及ぶ。

あるいは骨髄から血液中にあふれ出た白血病細胞がさまざまな臓器に浸潤(侵入)して障害することもある。



白血病患者の血液中では白血病細胞あるいは病的な白血球を含めると白血球総数は著明に増加することも、あるいは減少することもある。

しかし、正常な白血球は減少し血小板や赤血球も多くの場合減少する。



白血病の症状として、正常な白血球が減ることで感染症(発熱)、赤血球が減少することで貧血になり貧血に伴う症状(倦怠感、動悸、めまい)、血小板が減少することで易出血症状などがよく見られ、また血液中にあふれ出た白血病細胞が皮膚や神経、各臓器に浸潤(侵入)してそれらにさまざまな異常が起きることもある。


治療は抗がん剤を中心とした化学療法によって白血病細胞の根絶を目指し、白血病の諸症状の緩和に輸血や造血因子投与や(抗菌薬やクリーンルームなどの)感染症対策などの支持療法に加え、難治例では骨髄移植などの造血幹細胞移植治療も行われる。


白血病は年に10万人あたりおよそ7人(2005年、日本)が発症する比較的少ないがんであるが、多くの悪性腫瘍(癌、肉腫)は高齢者が罹患し小児や青年層では極めてまれなのに対し、白血病は小児から高齢者まで広く発症するため、小児から青年層に限ればがんの中で比較的多いがんである。


造血の場である骨髄で造血の元になっている細胞が変異したことによって起きるのが白血病であり、癌や肉腫のように固形の腫瘍を形成しないため、胃癌や大腸癌などのように外科手術の適応ではないが、その代わり抗がん剤などの化学療法には極めてよく反応する疾患である。



19世紀にドイツの病理学者ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー(ウィルヒョウ,フィルヒョウ)が白血病を初めて報告して Leukemia(白血病)と名付けたが、かつては白血病は治療が困難で、自覚症状が現れてからは急な経過をたどって死に至ったため、不治の病とのイメージを持たれてきた。

また、白血病は現代においても現実に若年層での病死因の中で高い割合を占めることから、フィクションでは、かつての結核に代わって、癌と並び現代ではしばしば若い悲劇の主人公が罹患する設定になることが多い。



しかし、1980年代以降、化学療法や、骨髄移植 (bone marrow transplantation; BMT)、末梢血造血幹細胞移植 (peripheral blood stem cell transplantation; PBSCT)、臍帯血移植 (cord blood transplantation; CBT) の進歩に伴って治療成績は改善されつつある。


一口に白血病と言っても、大きくは急性骨髄性白血病 (AML)、急性リンパ性白血病 (ALL)、慢性骨髄性白血病 (CML)、慢性リンパ性白血病 (CLL) の4つに分けられ、それぞれは様相の異なった白血病である。

急性白血病では増加している白血病細胞は幼若な血液細胞(芽球)に形態は似てはいるが、正常な分化・成熟能を失い異なったものとなる。


慢性白血病では1系統以上の血液細胞が異常な増殖をするが、白血病細胞は分化能を失っておらず、幼若な血液細胞(芽球)から成熟した細胞まで広範な細胞増殖を見せる。




急性白血病細胞は血液細胞の幼若細胞に似た形態を取り、多くの急性白血病では出現している白血病細胞に発現している特徴が白血球系幼若細胞に現れている特徴と共通点が多い細胞であるが、多くはないが赤血球系統や血小板系統の幼若細胞の特徴が発現した白血病細胞が現れるものもあり、それらも白血病である。


血液細胞は分化の方向でリンパ球と骨髄系細胞に分けられるが、ほとんどの白血病細胞も少しであっても分化の方向付けがありリンパ性と骨髄性に分けることができる。




白血病における慢性と急性の意味は、他の疾患で言う急性・慢性の意味合いとは違う。

急性白血病が慢性化したものが慢性白血病という訳ではなく、白血病細胞が幼若な形態のまま増加していく白血病を「急性白血病」、白血病細胞が成熟傾向を持ち一見正常な血液細胞になる白血病を「慢性白血病」という。

白血病の歴史の中で一般に無治療の場合には白血病細胞が幼若な形態のまま増加していく白血病の方が死に至るまでの時間が短かったので「急性」と名付けられた。

急性白血病が慢性化して慢性白血病になることはないが、逆に慢性白血病が変異を起こして急性白血病様の病態になることはある。



一般的に用いられる形容で、白血病を「血液の癌」と呼ぶが、この形容は誤りである。

漢字で「癌」というのは「上皮組織の悪性腫瘍」を指し、上皮組織でなく結合組織である血液や血球には使えない。

ただし、「血液のがん」という平仮名の表記は正解である。

平仮名の「がん」は、「癌」や「肉腫」、血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で使われているからである。


悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群といった類縁疾患は通常、白血病には含まれないが、悪性リンパ腫とリンパ性白血病の細胞は本質的には同一であるとされ、骨髄異形成症候群にも前白血病状態と位置付けられ進行して白血病化するものもあり、これら類縁疾患と白血病の境目は曖昧な面もある。

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2014年07月23日

nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用は日本人においても転移性膵癌のファーストラインとなり得る

◆nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用は日本人においても
  転移性膵癌のファーストラインとなり得る
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_1


◆Necitumumabは欧米での推奨用量で日本人においても安全に投与可能
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_2


◆重篤な有害事象の全症例を登録するシステムを稼働、
  化学療法の質の向上につなげる取り組み
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_3


◆転移性大腸癌でminor KRAS、NRAS、BRAF、PIK3CA変異型は
  全野生型に比べて抗EGFR抗体薬の有効性が低い
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_4


◆進行胆道癌に対してゲムシタビン/シスプラチン/S-1併用療法が有効である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_5


◆乳癌術後補助化学療法におけるタキサンとアントラサイクリンでは
  味覚異常のプロファイルが異なる
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_6


◆ALK陽性NSCLCの1次治療として、アジア人患者でもクリゾチニブは
  化学療法よりも無増悪生存期間を延長
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_7


◆日本人の固形癌患者でHDAC阻害剤resminostat の800mg/日までの忍容性を確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_8


◆実地臨床におけるレゴラフェニブの安全性と効果はCORRECT試験とほぼ同様、
  単施設の報告
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_9


◆進行非小細胞肺癌に抗PD-1抗体ONO-4538と化学療法の併用は安全で効果も確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_10


◆外来癌化学療法における薬剤師の介入が臨床的効果の改善につながる可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_11


◆移植後にGVHDを合併していない急性白血病患者のQOLは化学療法と変わらない、
  患者調査の結果
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_12


◆新規不可逆的EGFR-TKIであるAZD9291がNSCLCのEGFR抵抗性変異に有効である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_13


◆大腸癌に対する抗EGFR抗体薬の効果を活かすには
  ベバシズマブ投与後6カ月以上のウォッシュアウト期間が必要
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224410_--_75303_--_14

posted by ホーライ at 02:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤のニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ALK陽性NSCLCの1次治療として、アジア人患者でもクリゾチニブは化学療法よりも無増悪生存期間を延長

◆ALK陽性NSCLCの1次治療として、アジア人患者でもクリゾチニブは
  化学療法よりも無増悪生存期間を延長
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_1


◆日本人の固形癌患者でHDAC阻害剤resminostat の800mg/日までの忍容性を確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_2


◆実地臨床におけるレゴラフェニブの安全性と効果はCORRECT試験とほぼ同様、
  単施設の報告
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_3


◆進行非小細胞肺癌に抗PD-1抗体ONO-4538と化学療法の併用は安全で効果も確認
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_4


◆外来癌化学療法における薬剤師の介入が臨床的効果の改善につながる可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_5


◆移植後にGVHDを合併していない急性白血病患者のQOLは化学療法と変わらない、
  患者調査の結果
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_6


◆新規不可逆的EGFR-TKIであるAZD9291がNSCLCのEGFR抵抗性変異に有効である可能性
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_7


◆大腸癌に対する抗EGFR抗体薬の効果を活かすには
  ベバシズマブ投与後6カ月以上のウォッシュアウト期間が必要
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_224007_--_75258_--_8

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2014年07月19日

乳癌について

●乳癌について

乳癌(にゅうがん、英: Breast cancer)は、乳房組織に発生する癌腫である。

世界中でよく見られる癌で、西側諸国では女性のおよそ10%が一生涯の間に乳癌罹患する機会を有する。

それゆえ、早期発見と効果的な治療法を達成すべく膨大な労力が費やされている。

また乳癌女性患者のおよそ20%がこの疾患で死亡する。




●乳癌の疫学


乳がんに罹患するリスクは年齢と共に増加する。

日本人女性の場合、生涯で乳がんに罹患する確率は16人に1人(欧米は8〜10人に1人)である。

極めて稀に男性も乳癌に罹患することがある。



乳癌に罹患する確率は色々異なった要因で変わってくる。

家系によっては、乳癌は遺伝的家系的なリスクが強い家系が存在する。

人種によっては乳癌リスクの高いグループが存在し、アジア系に比べてヨーロッパ系とアフリカ系は乳癌リスクが高い。

他の明確になっているリスク要因としては以下の通り。



妊娠・出産歴がない。出産回数が少ない。

第一子出産の後、母乳を与えない。なお、関連がないとする報告もあり。

初経年齢(月経が始まった年齢)が低い。

閉経年齢が高い。

ホルモン療法(エストロゲン製剤、ピル等)を受けている。なお、関連がないとする報告もあり。

飲酒

喫煙

高脂肪の食事


20歳時の体重が低いほど、乳がんになりやすい。

閉経後の女性では、成人後の体重の増加が多いほど乳がんになりやすい。

シフトワークによる不規則な生活

女性化乳房(男性の場合)

喫煙については、日本人を対象とした研究では、喫煙女性の乳癌リスクは、非喫煙者に比べて1.9倍となる。




年齢と共に乳癌の発生する確率は高まるが、若年齢で発生した乳癌は活動的である傾向が存在する。

乳癌の一種の炎症性乳癌 (Inflammatory Breast Cancer) は特に活動的で、若い女性に偏って発生し、初診時のステージがIIIbまたはIVであることが多い。

この癌は他とは変わっていて、乳癌のしこりが無いこともしばしば見受けられ、マンモグラフィーや超音波検査で発見することが出来ない。

乳腺炎 (Mastitis) のような乳房の炎症が症状として現れる。

乳癌の予防の可能性の要素として次のようなものがある。



余暇運動への参加が多いほど、乳癌になりにくい。

総身体活動量が高い女性は、閉経後においてホルモン受容体陽性の乳癌になりにくい。

過体重の女性では、週1回以上の余暇運動に参加する人は、乳癌になりにくい。

大豆イソフラボンであるゲニステインの血中濃度が高いグループの乳癌リスクは低い。

味噌汁の摂取が多いほど、乳癌になりにくい。

大豆イソフラボンは乳癌発生率減少と関連している。

総野菜・総果物摂取量全体では、乳がん発生との関連は観察されなかったが、閉経前の女性では、「アブラナ科野菜」の摂取量が高いほど、乳がんになりにくいとの報告がある。

閉経前女性では、マメ科植物、家禽類、ナッツ、魚類の摂取合計が、獣肉(レッド・ミート)摂取に対して多いと、乳癌の相対リスク低下がみられた。




●乳がんの検診

30歳代から高齢の女性ほど罹患率が高い為、今日では多くの国で検診を受けることが推奨されている。

検診には胸部自己診断法 (breast self-examination) とマンモグラフィー (mammography) も含まれる。

いくつかの国では、壮老年女性の全員の毎年のマンモグラフィー検診が実施され、早期乳癌の発見に効果を挙げている。

ただし、検診にもデメリットは存在する。

乳癌患者発見の背後には、その10倍以上の乳癌でない被験者が精密検査へと回り、生検(乳房に針をさす)を受けていることも事実である。

こういったことから、2009年にはアメリカの予防医学作業部会が40代の定期的なマンモグラフィ検診は推奨しないと発表し、大きな議論となった。

マンモグラフィーは早期乳癌を発見する為の選択肢のひとつであり、これひとつですべての年齢、すべての乳癌の、早期発見がカバーできるものではない。

欧米では生涯乳癌リスクが20%以上の女性に対して造影剤を用いたMRIによるスクリーニングが推奨されている。

日本では現在、40代における超音波検査の併用検診の効果について大規模な臨床研究が行われている。

CTはX線被曝や費用の問題もあり、検診に用いられることは希である。

20歳代での検査は、マンモグラフィ(描出率43%)よりも乳房超音波検査(描出率86%)が診断に有用である可能性が示唆された。



●乳がんの検査

壮老年女性の検診は増加しているのにも関わらず、多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、かかりつけ開業医などが乳房のしこりを発見することである。

一般的な乳癌のスクリーニング検査としては、問診、触診、軟X線乳房撮影(マンモグラフィー)、超音波検査等が実施される。

臨床的に疑いが生じると、乳房MRI検査および細胞診や生検が実施され病理学的診断により癌であるかどうか判別される。

細胞診は多くの場合、超音波装置の誘導で腫瘍内に細い針を挿入し腫瘍細胞を採取する。

生検にはいくつかの種類があるが、超音波ガイド下にやや太目の針を挿入して腫瘍の一部を採取する針生検が最もスタンダードである。

細胞診や針生検で診断が困難な場合には、超音波またはマンモグラフィーを取る機械を用いたマンモトーム生検、MRI検査でしか描出できない多発乳がんなどの場合は、MRI検査をしながら生検を行うMRIガイド下乳腺生検が行われることもある。



●乳がんの病理診断

病理医はふつう、腫瘍の組織型と、顕微鏡的なレベルの進行度合い(浸潤性であるか否か、など)を生検の報告に記述している。

浸潤性乳癌の殆どは腺癌 (adenocarcinoma) であり、その中で最も普通の亜型は浸潤性乳管癌 (infiltrating ductal carcinoma ICD-O code 8500/3) である。

他の亜型としては浸潤性小葉癌 (infiltrating lobular carcinoma ICD-O code 8520/3)、髄様癌(medullary carcinoma)、粘液癌(mucinous carcinoma)、管状癌(tubular carcinoma)、浸潤性微小乳頭癌(invasive micropapillary carcinoma)、化生癌(metaplastic carcinoma) などがある。

稀に、腺癌以外の癌腫(あるいは癌腫以外の悪性腫瘍)がみられる。


また乳腺の増殖性病変の一部は乳癌と紛らわしい良性病変、良性と紛らわしい乳癌の顕微鏡像を呈することがあり、正しい診断に到達するためには、免疫染色という方法を用いることがある。

乳腺病理専門医にたいしてセカンドオピニオンを求めたり、針生検においては無理に最終診断を下さず切除生検を推奨することも、時に重要となってくる。

診断が付くと、次は癌の病期の判定に移る。腫瘍の広がり具合と、浸潤や転移の有無を、病期判定の尺度とする。



●乳がんの病期

乳癌の病期(ステージ)は腫瘍の乳房内での広がり、リンパ節への転移の有無、癌細胞の遠隔転移で決まってくる。

腫瘍の乳房内での広がりには、腫瘍のサイズ、皮膚や胸壁への浸潤の有無、炎症性乳癌という病態かどうかが含まれる。

浸潤・転移が疑われリスクが高い場合は、CTスキャン、骨(シンチグラフィー)、フルオロデオキシグルコース陽電子断層撮影(FDG-PET)、磁気共鳴画像(MRI)、血液検査等の追加の検査で、遠隔転移の発見が試みられる。

腫瘍医はTNM分類で区分を簡潔に表現し、推奨される治療法を決定する。

癌の病期を分類する一つの方法としてもTNM分類が使われる。

TNMとはTumour(腫瘍)、Nodes(リンパ節)そしてMetastasis(転移)の頭文字を取りを短くしたものである。

あるいはエストロゲン受容体 (estrogen receptor) 、HER2/neu癌遺伝子、増殖マーカーであるKi-67 indexなど生物学的要因もまた、治療を選択する上での要点となる。



●乳がんの治療

乳癌の治療は原則的には外科的切除であり、抗がん剤や抗エストロゲン剤など化学療法と放射線療法が併用される。


外科手術

手術StageT〜VAに対して適応となる。最近では、乳房温存術と乳房切除術とでは予後に差が無いことが報告されてきており、手術は拡大手術ではなく縮小手術が行われる傾向にある。

乳房温存術(lumpectomy 腫瘤のみを摘出 乳腺腫瘤摘出術)

乳房切除術(mastectomy 乳房を切除ないし完全に切除する) 胸筋合併乳房切除術

胸筋温存乳房切除術


腫瘤の大きさによって切除範囲が選択されるため、>3cm以上の大きな腫瘤や、胸壁や皮膚へ直接浸潤しているような進行している場合には広範囲切除となる。

切除断端陽性(遺残)が再発の高リスクであるため出来る限りの腫瘤摘出が望まれる。

手術の際には、リンパ節郭清として、センチネルリンパ節生検(sentinel lymph node biopsy)が行われ、リンパ節転移のある場合に腋窩リンパ節郭清が行われる。




放射線療法

乳房温存術後の局所再発の予防を目的とした乳房全照射が行われる。

転移および再発における症状緩和を目的とした照射がある。



●乳がんの化学療法

術後化学療法は再発リスク評価に応じて適用され、内分泌薬・抗がん剤・分子標的治療薬の3種類を用いて行われる。

また術前化学療法も行われる。

また再発・転移性乳癌においても化学療法が行われる。


内分泌薬乳癌はエストロゲン依存性であることが多いことから、エストロゲン受容体(ER)・プロゲステロン受容体(PgR)の発現の高いものは内分泌薬が奏功する。

抗エストロゲン薬:タモキシフェン

アロマターゼ阻害薬:アナストロゾール・エキセメスタン・レトロゾール

LH-RH作用薬:

閉経前後で以下の通りに行われる。

1.閉経前女性:抗エストロゲン薬+LH-RH作用薬

2.閉経後女性:抗エストロゲン薬 or アロマターゼ阻害薬


抗がん剤以下の通りに行われる。基本的にER/PgR発現の低いもの(陰性)の場合に行われる。

CMF(シクロホスファミド+メソトレキセート+フルオロウラシル)

CAF(シクロホスファミド+アドリアシン+フルオロウラシル)

AC(アントラサイクリン系:ドキソルビシン+シクロホスファミド)



●分子標的治療

ヒト上皮成長因子受容体2(HER-2)陽性の場合、分子標的治療薬が奏功する。

トラスツズマブ:HER-2モノクローナル抗体

ラパチニブ:EGFR・HER-2低分子阻害薬


mTOR阻害剤

エベロリムス





●乳がんの予後

長期治療成績は診断確定時の乳癌の病期(ステージ)と癌がどのように治療されたかに依存する。

一般的に言って、早期発見されればされるほど予後は良い。

早期であればほとんどの乳癌が手術によって根治する。

男性乳癌では女性乳癌と比較して大胸筋浸潤を起こしやすく、進行癌で発見される確率が高いため、5年生存率40〜50%と予後は不良であると考えられてきた。

しかしながら、近年の例によると女性患者と比べても全生存率、無病生存率ともに変わらないことが指摘されている。

また、外科的手術を行った場合、主に審美的な観点、および、患者の精神的なケアの観点から、乳房再建術が行われることがある。


以上

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2014年07月16日

大腸癌の治療のニュース

エリアレビュー・大腸癌
対談 最新の試験結果から大腸癌の一次治療を考える【ASCO2014】
熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学教授 馬場秀夫氏、
愛知県がんセンター中央病院薬物療法部部長 室圭氏
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_223526_--_75113_--_1

ラベル:大腸癌
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肉腫について(1)

●肉腫について(1)

肉腫(にくしゅ、sarcoma)とは、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管等と言った非上皮性細胞由来の結合組織細胞に発生するがんである。

悪性腫瘍には含まれるが、狭義の癌腫とは区別される。



●骨腫瘍と軟部腫瘍

骨のがんである骨肉腫も、前述の病理学的定義から言えば肉腫のひとつであるが、臨床的所見上は、固い組織から生じる固い病変であり、語源とは異なっている。

また、顕微鏡的所見や治療方法についても他の肉腫と異なるところが多い(良性の間葉系腫瘍についても、同様に骨腫瘍とそれ以外とでは違いが大きい)。

このため、腫瘍整形外科領域では骨と軟骨以外の間葉系組織=軟部組織から生ずる肉腫を「軟部肉腫」(或いは「悪性軟部腫瘍」)としてひとまとめに扱う。


●肉腫の一覧

軟部肉腫(Soft tissue sarcomas) (組織型別) 線維肉腫(Fibrosarcoma) - 歯原性肉腫(エナメル上皮線維肉腫)など

悪性線維性組織球腫

皮膚線維肉腫

脂肪肉腫(Liposarcoma)

横紋筋肉腫(Rhabdomyosarcoma)

平滑筋肉腫(Leiomyosarcoma)

血管肉腫(Hemangiosarcoma)

カポジ肉腫(Kaposi's sarcoma)

リンパ管肉腫(Lymphangiosarcoma)

滑膜肉腫(Synovial sarcoma) - 関節滑膜由来の肉腫としてこのように命名されたが、現在は由来不明の腫瘍として扱われている

胞巣状軟部肉腫- 由来不明

骨外性軟骨肉腫

骨外性骨肉腫




悪性末梢神経性腫瘍 - 現在のWHO分類では、軟部肉腫と区別している 悪性末梢神経鞘腫瘍 - 現在の分類では「神経線維肉腫」と「悪性神経鞘腫」を区別しない

悪性骨腫瘍 (組織型別) 骨肉腫

軟骨肉腫(Chondrosarcoma)

顆粒球肉腫

ユーイング肉腫

骨原発の線維肉腫

悪性骨巨細胞腫/骨原発の悪性線維性組織球腫

骨原発の脂肪肉腫

骨原発の血管肉腫



以上
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2014年07月15日

日本における抗がん剤

●化学療法 (悪性腫瘍)について(8)

●日本における抗がん剤

日本国内においては薬事法上、厚生労働大臣の承認を得た薬剤でなければ製造・販売が認められない。

すでに海外で市販されている薬剤においても例外ではなく、日本国内での臨床試験を経て承認審査が行われる。

この承認手続きには通常1年以上の期間を要するため、海外ですでに標準治療薬とされている薬剤が日本国内では使用できない事態が生じることがある。

特に新規抗がん剤において顕著であり、問題視されることがある。

なお、個人輸入に関してはこの制限を受けないが、厚生労働省は安易な個人輸入は危険であり行うべきではないとしている。


●癌の長期管理

化学療法の副作用以外に癌の長期管理では様々な問題がおこってくる。

ここでは主に支持療法と呼ばれる分野の解説を行う。



疼痛管理

癌性疼痛の他に、医原性の疼痛も存在する。

これらは緩和医療に詳しく書かれている。

悪心主に化学療法の副作用によって起こるが、それ以外のものもある。

最も頻度が高いのは急性嘔吐であり、これは治療後24時間以内におこる。

これは化学療法の副作用と考えられており、制吐剤を治療前に投与するなどしてコントロールする必要がある。

治療後1週間以内におこる嘔吐を遅延性嘔吐というが頻度は高くない。

まだ化学療法の苦痛が条件反射によって組み込まれ、治療前に嘔吐する先行性嘔吐というものもある。


滲出液

栄養

心理面これはキューブラーロスによって詳しく研究されている。

死に行く病でどこまで治療効果を求めるかは患者の価値観によって変わってくる。


以上
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